画像(右上から時計回り):夏衣裳當世美人・白木屋仕入の乗布向キ(部分) 喜多川歌麿筆 江戸時代・19世紀 東京国立博物館蔵[後期展示]、美人立姿図(部分) 江戸時代・17世紀 千葉市美術館蔵[後期展示]、国宝 婦女遊楽図屛風(松浦屛風)(部分) 江戸時代・17世紀 奈良・大和文華館蔵[展示期間:5月19日(火)~6月7日(日)]、重要文化財 振袖 紅紋縮緬地束熨斗模様 江戸時代・18世紀 京都・友禅史会蔵[前期展示]、見返り美人図(部分) 菱川師宣筆 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵、重要文化財 小袖 黒綸子地波鴛鴦模様 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵
開催趣旨
日本の美意識を色と模様に表した「きもの」。
その原型である小袖こそでは、室町時代後期より、染や刺繡、金銀の摺箔すりはくなどで模様を表し、表着おもてぎとして花開きました。
美しく彩られたきものが着用され始めた江戸時代、町を行き交う人々がファッショニスタでした。
明治・大正時代には、型友禅かたゆうぜん銘仙めいせんなど近代的な技術を駆使したきものが流行。戦後、きものはモードの一線を離れ、現代アートを志向するデザインが登場しました。
きものは、現代に至るまで多様に展開しながら成長し続ける日本独自の美の世界を体現しています。
本展では、信長・秀吉・家康・篤姫など歴史上の著名人が着用したきものや、尾形光琳おがたこうりん直筆の小袖に加え、「観楓図屛風かんぷうずびょうぶ」「婦女遊楽図屛風ふじょゆうらくずびょうぶ松浦屛風まつうらびょうぶ)」など、きものが描かれた国宝の絵画作品、さらに現代デザイナーによるきものなど200件以上の作品を一堂に展示します。800年以上を生き抜き、今なお新たなファッション・シーンを繰り広げる「きもの」を、現代を生きる日本文化の象徴として展覧し、その過去・現在・未来を見つめる機会とします。
質・量ともに世界最大のきものコレクションを有する東京国立博物館で開催する、空前絶後のきもの展です。

重要文化財 小袖 黒綸子地波鴛鴦模様(部分)

江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵

みどころ

鎌倉時代から現代までを通覧する、
初めての大規模きもの展!

鎌倉時代から現代までを通史的に総覧する、かつてない規模のきものの展覧会です。加えて、東京国立博物館では1973年に特別展「日本の染織」を開催して以来、47年ぶりとなる大規模な染織の展覧会となります。本展では、国宝、重要文化財を含む染織作品、屛風や浮世絵などの絵画作品によって、きものの壮大な歴史絵巻を繰り広げます。
表着 白地小葵鳳凰模様二陪織物
国宝 前期
表着うわぎ 白地小葵鳳凰模様二陪織物しろじこあおいほうおうもようふたえおりもの
鎌倉時代・13世紀
神奈川・鶴岡八幡宮蔵
撮影:堤 勝雄
友禅訪問着白地位相割付文「実り」
前期
友禅訪問着ゆうぜんほうもんぎ 白地位相割付文しろじいそうわりつけもんみのり」
平成25年(2013)
東京・株式会社 三越伊勢丹蔵

光琳「冬木小袖」が登場。

尾形光琳は、江戸での寄宿先である深川の材木商・冬木家に滞在中、冬木家の奥方のために白小袖に秋草図を描きました。光琳は呉服商雁金屋かりがねやに生まれましたが、彼が直接小袖に描いた作品のうち完全なきものの形で遺されてきた真筆は、「冬木小袖ふゆきこそで」の名称で知られるこの1領のみです。
小袖 白綾地秋草模様 尾形光琳筆
重要文化財
小袖こそで 白綾地秋草模様しろあやじあきくさもよう 尾形光琳おがたこうりん
江戸時代・18世紀
東京国立博物館蔵

海外からの里帰り品、初出品も。

明治維新以後、欧米におけるジャポニスムの流行によって海外に渡った日本美術の中には、きものや屛風などもありました。本展では、初めて里帰りを果たすメトロポリタン美術館所蔵「袖図屛風そでずびょうぶ」や、安土桃山時代のきもの、浮世絵といった里帰り作品を展示します。
誰が袖図屏風
袖図屛風そでずびょうぶ
江戸時代・17世紀 アメリカ合衆国・メトロポリタン美術館蔵
展示期間:4月14日(火)~5月17日(日)

信長・秀吉・家康や篤姫など
歴史上の著名人の衣装も多数。

戦国時代、天下統一を目指した3武将、織田信長おだのぶなが豊臣秀吉とよとみひでよし徳川家康とくがわいえやすが着用したと伝えられる衣装をはじめ、秀吉の正室であったおね(高台院こうだいいん)、側室であった淀殿よどどのゆかりの衣装や肖像画、天璋院篤姫てんしょういんあつひめの 衣装などを展示。そこには、数寄な運命を辿った歴史上の人物の性格も垣間見えます。
陣羽織 黒鳥毛揚羽蝶模様 織田信長所用
陣羽織じんばおり 黒鳥毛揚羽蝶模様くろとりげあげはちょうもよう 
織田信長おだのぶなが所用
安土桃山時代・16世紀
東京国立博物館蔵
陣羽織 淡茶地獅子模様 豊臣秀吉所用
陣羽織じんばおり 淡茶地獅子模様うすちゃじししもよう 
豊臣秀吉とよとみひでよし所用
安土桃山時代・16世紀
東京国立博物館蔵
胴服 染分平絹地雪輪銀杏模様 徳川家康所用
重要文化財
胴服どうぶく 染分平絹地雪輪銀杏模様そめわけへいけんじゆきわいちょうもよう 
徳川家康とくがわいえやす所用
安土桃山時代・16〜17世紀
東京国立博物館蔵